SWOTから打ち手を決めるテンプレート
表計算ソフトや文書にコピーして使えるテンプレートです。上から順に埋めると、下の手順①〜⑤をたどれます。下に、架空の小さな店で埋めた記入例があります。
手順①〜⑤を読む
① 目的に関係のある項目にしぼる
最初に、この表で何を決めたいかを1行で書きます。たとえば「来月までに、新しいお客さんを増やす手を1つ決める」のように書きます。
次に、4つの箱の項目を見て、その目的に関係があり、根拠もある項目を選びます。並べるのは各箱で上位3つまでにします。3つという数は決まりではなく、全部を並べたままにしないための目安です。
② 各項目に根拠を1つ付ける
残した項目それぞれに、根拠を1つ付けます。根拠は、数字、出典(どこに書いてあったか)、自分で見たことのどれかです。
根拠が無い項目は消さずに「仮」と書きます。「仮」の項目から出た候補は、あとで比べるときに根拠が弱いものとして扱います。
③ かけ合わせて候補を出す
内側の項目(強み・弱み)と外側の項目(機会・脅威)を組み合わせて、「だから何をするか」を書きます。たとえば「強みを使って機会をつかむ」「弱みを補って脅威を避ける」といった組み合わせです。このやり方はクロスSWOTと呼ばれます。
候補は1つずつ、「何を、いつまでにするか」の1文で書きます。
④ 4つの観点で比べる
| 観点 | 見ること |
|---|---|
| 目的への寄与 | ①で書いた目的に、どれだけ近づくか |
| 根拠の強さ | 事実か推測か。出典はあるか。「仮」に頼っていないか |
| 実行できるか | 誰がやるか。時間とお金は足りるか |
| 失敗したときの損失 | うまくいかなかったとき何を失うか。元に戻せるか |
各観点に1〜3点を付けると比べやすくなります。ただし、点数は比べるための助けです。合計がいちばん高い候補を、そのまま選ぶわけではありません。点を見ながら、なぜそれを選ぶのかを1文で書きます。
選ばなかった候補と、選ばなかった理由も残します。選んだ打ち手が効かなかったとき、次に試す候補を探す材料になります。
なお、この4つの観点は、実務でよく使われる考え方を並べたものです。研究で効果を確かめた基準ではありません。
⑤ 確かめ方を決める
選んだ打ち手が効いたかどうかを、何で見るか、いつ見るかを決めます。たとえば「4週間後に、問い合わせの数を始める前の4週間と比べる」のように書きます。結果がどうなったらやめるかも、ここで書いておきます。
テンプレート
1. 目的と4つの箱
| 欄 | 内容 | 根拠(数字・出典・自分で見たこと) | 根拠が無ければ「仮」 |
|---|---|---|---|
| 目的(何を決めたいか・1行) | |||
| 強み1〜3 | |||
| 弱み1〜3 | |||
| 機会1〜3 | |||
| 脅威1〜3 |
各箱は3つまでを目安にします。足りなければ行を足してかまいません。
2. 候補を比べる
点数は1〜3で付けます。どの観点も、3がいちばん良い側です。「失敗したときの損失」は、損失が小さく元に戻しやすいほど3にします。
| 候補 | 打ち手(何を・いつまでに) | もとにした項目 | 目的への寄与 | 根拠の強さ | 実行できるか | 失敗したときの損失の小ささ | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| A | |||||||
| B | |||||||
| C |
合計は比べるための助けです。いちばん高い候補を自動で選ばず、次の欄に理由を書いて決めます。
3. 決めたこと
| 欄 | 内容 |
|---|---|
| 選んだ打ち手 | |
| 選んだ理由(1文) | |
| 選ばなかった候補と理由 |
4. 確かめ方
| 欄 | 内容 |
|---|---|
| 何で見るか | |
| いつ見るか | |
| どうなったらやめるか |
表計算ソフト用(CSV)
下の文字をコピーして、表計算ソフトに貼り付けるか、.csv の名前で保存して開きます。
CSV をダウンロード(swot_template.csv)
CSV の中身を見る
欄,内容,根拠(数字・出典・自分で見たこと),仮なら「仮」,,,, 目的(何を決めたいか・1行),,,,,,, 強み1,,,,,,, 強み2,,,,,,, 強み3,,,,,,, 弱み1,,,,,,, 弱み2,,,,,,, 弱み3,,,,,,, 機会1,,,,,,, 機会2,,,,,,, 機会3,,,,,,, 脅威1,,,,,,, 脅威2,,,,,,, 脅威3,,,,,,, ,,,,,,, 候補,打ち手(何を・いつまでに),もとにした項目(例:強み1×機会2),目的への寄与(1〜3),根拠の強さ(1〜3),実行できるか(1〜3),失敗したときの損失の小ささ・戻しやすさ(1〜3),合計(比べる助け。自動で選ばない) 候補A,,,,,,, 候補B,,,,,,, 候補C,,,,,,, ,,,,,,, 決めたこと,内容,,,,,, 選んだ打ち手,,,,,,, 選んだ理由(1文),,,,,,, 選ばなかった候補と理由,,,,,,, ,,,,,,, 確かめ方,内容,,,,,, 何で見るか,,,,,,, いつ見るか,,,,,,, どうなったらやめるか,,,,,,,
記入例(架空の例)
ここに出てくる店と数字はすべて架空です。書き方を見るための例で、実際の調査の結果ではありません。
駅から歩いて10分ほどの小さなパン屋です。店主1人とパート1人で回しています。
1. 目的と4つの箱
| 欄 | 内容 | 根拠 | 仮 |
|---|---|---|---|
| 目的 | 3か月のうちに、平日の夕方の売上を増やす手を1つ決めて試す | ||
| 強み | 食パンを買いに来る常連が多い | レジの記録で、1日のお客さんの半分ほどが食パンを買っている | |
| 弱み | 平日の14時以降はお客さんが少ない | レジの記録で、14〜18時の売上は1日の2割ほど | |
| 弱み | 店からの発信をしていない | SNSのアカウントを持っていない | |
| 機会 | 近くに保育園ができ、夕方にお迎えの親子が店の前を通る | 17時台に店の前を通る親子を数えた日に、30組ほどだった | |
| 脅威 | 近くのスーパーがパン売り場を広げたらしい | 人から聞いた話で、まだ自分で見ていない | 仮 |
2. 候補を比べる
| 候補 | 打ち手 | もとにした項目 | 寄与 | 根拠 | 実行 | 損失の小ささ | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| A | 来月から、食パンの焼き上がりを16時にも出す | 強み×機会 | 3 | 2 | 2 | 3 | 10 |
| B | 来月から、子ども向けの小さなおやつパンを16時から店頭に並べる | 弱み×機会 | 2 | 2 | 3 | 3 | 10 |
| C | 今月中にSNSを始め、毎日の焼き上がり時刻を知らせる | 弱み×脅威 | 1 | 1 | 2 | 3 | 7 |
3. 決めたこと
| 欄 | 内容 |
|---|---|
| 選んだ打ち手 | B:来月から、子ども向けの小さなおやつパンを16時から店頭に並べる |
| 選んだ理由 | AとBは同じ点だった。Bは今の仕込みに少し足すだけで始められ、売れなければ1週間でやめられる。夕方にお客さんが来るかを、まず小さく確かめたい |
| 選ばなかった候補と理由 | A:焼く順番を組み直す手間が大きい。Bで夕方のお客さんが増えたら次に試す。C:「仮」の脅威をもとにしていて、効くかの見通しが立たない |
4. 確かめ方
| 欄 | 内容 |
|---|---|
| 何で見るか | 平日16〜18時のレジの売上。おやつパンの売れ残りの数は毎日メモする |
| いつ見るか | 始めてから4週間後に、始める前の4週間と比べる |
| どうなったらやめるか | 16〜18時の売上が始める前と変わらなければ、Bをやめて、Aを試す |
この例では、AとBの合計が同じでした。点数だけでは決まらないので、「小さく始められて、すぐやめられる」ことを理由にBを選んでいます。